経営相談の実例➀(会社から社長に出金)

 ここでは、経営相談の実例をお伝えします。
 このケースでは、【問題】と【解決方法】が具体的であるため、【原因】の追究などは行っておりません。



 さて、経営コンサルタント業のD社は経営状況がとても良く、会社に数千万円の預金があります。
 社長(T様)は、新たに2億5,000万円のご自宅の購入をご検討されていますが、銀行から現在お住まいの住宅ローンの返済が条件と言われてしまいました。因みに、現在の住宅ローンは、残り5,000万円程度あります。
 会社から社長にお金を出金したいものの、税務上、どのような方法とメリット・デメリットがあるのかを相談されました。

会社から社長がお金を借りる

 税務上、会社が金融機関等から借入がある場合にはその借入金の金利が、借入がない場合には、国税庁が定めた金利が基準となります。
 この会社は、金融機関等からの借入がないため、国税庁の基準を採用することになりました。
 
2026年中に貸付をした場合には、1.3%が適用されます。

 

 もし、無利子又はこれより低金利で貸付をした場合には、1.3%との差額が役員の給与として課税されます(つまり、総合課税の対象となります)。

現在のご自宅を会社に売却する

 前提として、現在のご自宅には銀行から抵当権が設定されていると思いますので、物件の売却前に銀行の確認が必要となります。
 また、不動産の売却価格は、第三者間で当該取引を行った場合に成立する価格、つまり「通常の取引価格」で行います。通常の取引価格は、不動産鑑定評価、類似する近隣の売買実例、等から求めます。

 

 また、不動産を売却した際の社長の税率は、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかにより税率が異なります。
 
5年以下の場合には、「短期譲渡」に該当し、所得税と住民税合わせて利益部分に39.63%が課されます。
 一方、
5年超の場合には、「長期譲渡」に該当し、所得税と住民税合わせて利益部分に20.315%が課されます。
 その他、会社に対して登録免許税や不動産取得税も課されます。
 更には、社長から同族会社に対するマイホームの売却のため、
最大3,000万円の特別控除は使うことができません。

会社に対して、所有している会社株式を売却する

 会社の純資産価格ですと、2026年3月末時点にて1株12,832円でした。
 当初の出資状況は、1株100円でしたので、仮に、売却価格を6,400万円、社長の取得価格が50万円だとすると、6,400万円-50万円=6,350万円について課税されます。

 

 この、6,350万円部分につきましては、みなし配当と呼ばれ、他の所得(給与所得など)と合算され総合課税されます。
 また、株式譲渡時には、会社からの支払い時に、みなし配当部分の20.42%部分が源泉徴収され、会社が税務署に対して納める必要があります。

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